ima002
正面フライスの真のすくい角と切削抵抗
正面フライスの真のすくい角をT(true rake angle)で表わす。真のすくい角が20°異なる正面フライス(T=-7°とT=+13°)につき、切削抵抗を比較した。
すくい角1°で切削抵抗が1%変化するとの説があるが、主分力がほぼこれに近く、送り分力と背分力は更に変化率が大きい。
主分力を300kgfまたは400kgfに制限するときのテーブル送り量は、T=-7°ではvf=210と360mm/minだが、T=+13°とするとvf=400と550mm/minまで可能になる。
事例の切削データは新切れ刃によるものであり、工具摩耗が進行すると切削抵抗は増大する。工具摩耗による増加率は、すくい角の大きい刃形ほど少ないといわれる。
すくい角の正負、大小は、切削抵抗だけでなく、切削熱、工具摩耗、工具寿命、切削衝撃や切削振動、加工精度などと結びつき生産性にも大きく影響する。
正面フライス
センターカット
合金鋼
SCM440
258HB
乾式
125
6
45
DS745,SE445
-7,13
125
110
4
ima002X.xml
すくい角Tによる切削抵抗の違い
切削抵抗
送り
切削力
すくい角
scatter
送り速度 (mm/min)
切削抵抗 (kgf)
主分力T=-7deg,210,410,600
,300,420,540
主分力T=13deg,210,410,600
,200,310,420
送り分力T=-7deg,210,410,600
,230,300,370
送り分力T=13deg,210,410,600
,110,150,190
背分力T=-7deg,210,410,600
,130,180,230
背分力T=13deg,210,410,600
,70,75,80