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各種の研削加工方法と特徴

研削加工法は砥石によって工作物表面を削る加工法である。砥石は硬度の大きい1mm以下の粒径を持つ砥粒をボンドで固めて円盤状のしたもので、これを回転させ工作物表面に接触させて削る。砥粒が表面を削る現象は切削と同じであるが、一つ一つの砥粒が小さく、砥粒が円周表面に均等に並んでいるわけでもないので、ランダムな多くの刃が同時に切削に関係していると言える。したがって削られた表面の削り後はランダムな軌跡を残したものとなる。このことが切削と基本的に異りその理論解析を難しくしている。

削られる工作物の形状によって研削機械そのものの構造まで変わってくるが、平面を研削する方法を平面研削(図1)、円筒の外周面を研削する方法を円筒研削(図2)、また円筒内周面を研削する方法を内面研削(図3)と言っている。工作物が円筒の場合軸心を固定するためにセンターとかチャックを用いるが、軸心を機械的に固定しないで工作物の軸心を出す方法に芯無し研削法がある。

平面研削と送り方向円筒研削の例 内面研削の例
図1 平面研削と送り方向     図2 円筒研削の例      図3 内面研削の例

砥石が工作物を削る方向によって、プランジ研削とトラバース研削にわけられる。プランジ研削は砥石の軸方向と直角の方向(図1のVp)に砥石を動かして削るで方法であり、トラバース研削は砥石軸の軸方向に移動(図1のVr)させる方法である。砥石軸を動かすか工作物を動かすかは機械によって決まるが、相対的な関係が崩されなければ同じことである。また砥石が削り進んでいく方向と砥石の回転方向の関係では工作物を掬い上げるようにして削る場合をアップカット(図4(a))、食い付くようにして削っていく場合をダウンカット(図4(b))と言っている。

研削方向
図4 研削方向(アップカットとダウンカット)

砥石の周速は工作物の相対周速に比べて格段に早く、削り代も数μm程度と微小であるので加工後の表面粗さは非常に小さい。従って精密工作に向いている。しかし砥石による研削は砥粒の磨耗、目詰まりを起こすので研削能力を維持するために常に砥石の切刃を作り出す必要がある。これをドレッシングおよびツルーイングと言っている。

また高速で表面を削り取っていくために、塑性変形領域が狭い範囲に限定される。そのため変形を容易にし、切りくずも排出しやすくなる。したがって切削加工で難しい難削材であっても加工ができる。また加工面は高温にさらされるので油剤で冷却すると共に潤滑を行う必要がある。しかしCBNホイールでは研削油を掛けないで研削する方法(乾式)がとられる。

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