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塗型材

  鋳型や中子の砂の表面を溶湯の熱から保護し、鋳肌を改善したり、焼付を防止する目的で鋳型表面に塗る材料を言い、材料機能としては断熱性が要求される。この作業を塗型(とがた)という。

 有機自硬性鋳型の場合、耐火性が乏しいのでこの作業を欠かすことができない。ここでの作業内容としては表1に示すようなアルコールを溶媒としてスプレーまたは刷毛などで塗布するので、作業工数が多く、経費がかかる工程である。

 金型鋳型でも塗型は必要な工程であるが、この作業は金型を繰返し使えるようにすることに目的があるので、塗型材としては耐熱性の他に耐久性が求められる。この場合塗型は2層に分けて行われる。最初の層は黒鉛を混濁させた液またはアセチレンスモークを注湯ごとに数十μm塗布し、次の層は燐酸塩や水ガラスをバインダとして耐火物粉をスプレーで塗布するか、セラミック主体の粉末をプラズマスプレーで0.2〜0.3mm程度の厚みで塗布する。しかし金型鋳造法で小さい鋳物や肉圧の薄いものを鋳造する場合は塗型の厚みが縮みしろ以上に影響するので注意を要する。

項目
メタノール
IPA
エタノール
化学式
CH3OH
(CH32CHOH
25OH
比重
0.79
0.79
0.79
引火点
15.6℃(288.6K)
21.1℃(294.1K)
15.8℃(288.8K)
粘度(20℃)
0.59cP
2.41cP
1.22cP
許容濃度
200ppm
400ppm
1000ppm
IPA:イソプロビルアルコール

表1 塗型用アルコール溶媒の性質1)

1) 日本鋳造工学会編、鋳造工学便覧、p88、丸善 (H14)