溶極式アーク溶接法の一種で、被覆アーク溶接棒を用いて行う溶接。被覆は大気中の酸素、窒素などの進入を防ぎ、溶融金属の保護とアークを安定にし、さらに溶着金属中に合金元素を添加するなどの目的で塗布されている。図1に原理、図2に装置構成を示す。

図1　被覆アーク溶接の原理 (拡大)		図2　被覆アーク溶接の装置構成

アーク光は高輝度可視光であるため、裸眼で溶融池（加工点）を見ることはできない。溶接電流に対応する適切なしゃ光フイルターを用いることで、初めて溶融池を肉眼で観察できるようになる。最適な濃度のフィルターを選択することは、良い溶接を行うことと、目を保護する上で極めて重要となる。以下に、ミグ、マグ溶接に使用するしゃ光保護具用フイルター選択の目安を記す。

＜被覆アーク溶接で溶融池の観察に適したフィルタープレート番号 (参考値)＞

溶接技量を上げるために、実習時には以下の項目を記録しておくと良い。

熟練溶接技能者は、安定した溶接姿勢をとり、アーク直下の溶融池状態を観察して、適切な運棒操作を行っている。以下に、それらのポイントを述べる。

所定の溶融池を保つよう、作業者はホルダーを操作して、アーク長、溶接速度及び棒角度を調整する。

　以下に、炭素鋼とステンレス鋼の被覆アーク溶接のビードオンプレートの動画を示す。どちらも母材は炭素鋼であるが、左の溶接棒が炭素鋼、右の溶接棒はステンレス鋼である。
　動画は被覆アーク溶接棒の先端からアークが発生して、アーク熱で溶接棒と母材が溶融されて、溶融池とビードが形成される状況がとらえられている。また、溶融スラグの動きと、スパッタの発生もみられる。左の炭素鋼溶接棒に比べ、右のステンレス鋼溶接棒は低電流で溶接するため、溶融速度がやや遅くなることにも注意。

炭素鋼用溶接棒 D4301 Get the Flash Player to see this player.

ステンレス鋼用溶接棒 D308 Get the Flash Player to see this player.

• オーステナイト系ステンレス鋼とオーステナイト系ステンレス鋼の被覆アーク溶接 8A-8A-A　
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• 炭素鋼 と炭素鋼の被覆アーク溶接 1-1-A　
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